ゆらゆらばしのうえで

 

「ゆらゆらばしのうえで」

 きむら ゆういち 文

 はた こうしろう 絵

 福音館書店

 

 降りしきる大雨と激しい流れの川の水しぶきが表現された絵がいいなあと思いました。

 木村氏と言えば代表作に「あらしのよるに」があります。

 「あらしのよるに」はまっくら闇の中でのオオカミとヤギの会話が面白いのですが,こちらは激流にかかる橋の上のきつねとうさぎの会話です。

 追いかけるものと追われるものの情景を「ピッ」とストップさせて,生きるものと生きるものという対等な情景にし,お互いを向き合わせる物語に変化させる…技ありですね。物語の進むスピードの変化を感じるのも楽しいですよ。