「1Q84」BOOK1・2・3
村上春樹 作
新潮社
ただでさえ方向音痴の私は,折返し階段のような方向が変わる階段が苦手です。
ましてや螺旋階段など使おうものなら,すっかり方向感覚を失ってしまうのです。
ぐるぐる回りながら階段を降りているうちに周りの世界がすっかり変わってしまっても,方向さえも見失っている私は,しばらく気付かないでしょう。
さて,実は私,村上春樹の作品が苦手です。
あっと言う間に村上ワールドに引き込まれていき,最後までドキドキしながら読み進めるのですが,最後にいつも肩透かしを食らったような,裏切られたような,すっきりしない読後感を味わうことになるからです。
けれども,この「1Q84」は不思議とそんなことがありませんでした。いつも通り裏切られているのに,そのことに気付いていないのでしょうか。
もう一度じっくりと読んでみたいと思います。