ゴールドラッシュ

「ゴールドラッシュ」

 

 柳美里 作

 新潮社

 

今年のGW最終日は野毛山に用事があり,動物園の近くを通りがかりました。連休中はどこに出かけることもなく,普段通りの生活だったので,楽しそうな親子連れやカップルが大勢野毛山の公園や動物園に向かって歩いているのを観て,それだけでも連休気分を味わうことができました。ついた時間が少し早めだったので,動物園で時間でもつぶそうかと思いましたが,そこまですると周りのみんなに嫉妬を感じそうで,図書館で時間つぶしをすることにしました。

この物語の最後の場面は,おそらく野毛山動物園であろう場所の動物の檻の前です。

作者は神戸の「酒鬼薔薇事件」に触発されてこの本を書いたそうです。

私はこの手の暴力的な場面が多く,読んでいる者の胸をえぐるような問いかけがされる「重たい」話は非常に苦手なのですが,それでも最後までほとんどノンストップで読んでしまいました。

最後まで読んで,やはり苦手は克服できませんでしたが,柳美里の著書をほかにも読んでみたいと思わせる,心に残る一冊でした。