ブランケット・キャッツ


「ブランケット・キャッツ」

 重松清 作

 朝日新聞社(画像は朝日文庫)

 

どうしてこう重松清の小説は,読んでいる私の弱いところをつついてくるのでしょうか。この短編集にも容赦なくつつかれて,思わず涙してしまいましたよ。
そして気付いてしまったのです。私の弱点は今まで他人とケンカしたことがないことだなあ…ということに。
怒ったり,怒られたりしたことはあったけれど,対等な立場に立って,お互いの主義主張をぶつけ合うということを,なぜ10代の頃にしておかなかったのだろうとただただ後悔しています。
思い返せば,そういう機会はたくさんあったのに,当時の自分はケンカするなんて恰好が悪いと思ってさらりとかわしてしまったのです。それが格好いいと思っていたんですねえ。
もしもタイムマシンが手に入ったら,あの日に戻ってケンカしたい…。