楽園のカンヴァス

 

 『楽園のカンヴァス』

 

   原田マハ 著

 

「原田マハは面白いよ」といろいろな方面から耳にして,手に取らないまま月日がたつこと2年…先日行った図書館に借りたい本が書架になく,でも何か読みたいと思いながら背表紙を眺めて手に取ったのがこれ。
期待を裏切らないどころか,久しぶりに一気に読んだ小説でした。
歴史小説のような,お仕事小説のような,家族愛物語のような,ラブストーリーのような,美術ミステリーのような…盛りだくさんの内容は,賛否両論ありそうですが,私は単純に楽しめる小説が大好きなので満足しました。
「一字違いで大違い」なちょっとしたきっかけから壮大な話に膨らんでいくところも,ツボにはまりました。
この小説で「ホンバタカイギ」をするとしたら,やはり話のポイントは「あなたにとってずっと眺めていたい絵画は?」でしょうか。私はジョルジョ・ド・ラ・トゥールの《大工聖ヨセフ》です。