暮らしの中のことわざ辞典

『暮らしの中のことわざ辞典 第2版』 集英社

 

 今年あけてすぐに,とある読書会に参加しました。
 読書会というと一冊の本をみんなで読んだ後に集まり,話し合うスタイルをイメージしていたのですが,その読書会は,それぞれが好きな本を持ち寄って,その本について話した後に,みんなで質問したり,自由に話すというスタイルでした。
 そこで,同じグループでトップバッターで紹介してくれた人は,自分がその本を買って読んだ後に,父親の本棚にも同じ本があるのを見つけた…というエピソードをお話しくださいました。
 「へえ,そんなところで親子がつながっているなんて,いい話だなあ」と思っていたのですが,まさか自分の身の上にそれが起こるなんて思ってもみませんでした。
 母が「孫が素敵なてぬぐいをブックカバーにしているから,電車に乗って遠出するときに読む本に,真似してカバーしてみたのよお」と言いながら,何やら布に包まれた小さい本を持ってきたのです。こんな小さい本,いったい何なのだろうと中をめくってみて,思わず吹き出してしまいました。
 (おそらく100円均一ショップで買ったであろう)『ことわざじてん』…何を隠そう,私の愛読書の中の一冊が『暮らしの中のことわざ辞典』なのですから。
 姉から「欲しいんだったらあげるよ」とまだ子供だった時におさがりでもらった『ことわざ辞典』は,多分生涯完全読破することはできないのだろうと思いますが,時々パラパラめくっては新しい発見があったり,癒されたりするのです。
 無人島に持っていく一冊を選ぶとしたら,今のところ迷わずこの本です。
 「ヨンダヨン(読後散文)」は読み終わったあとの余韻を感じながら綴るというコンセプトなので,少々枠から外れてしまうのですが,たまにはそんな本について書いてもいいのでは…と思いながらしたためてみました。