ヨミマスヨ(旧 ヨミアイノコト)

「読み合い」とは,梅光学院大学教授で児童文学作家でもある村中李衣さんが提唱していることで,先日村中さんの講演会を聴きに行って,その素晴らしさを知ることができました。

その「読み合い」を私なりに解釈すると,読み聞かせやブックトークなど,本のよさを伝えることが目的なものとは一味違い,絵本を読むことによって読み手と聞き手が時間や思いを共有することを目的とするものではないかと思います。

そこで,ここでは「読み合い」を意識した活動について記録していきたいと思います。

と,少々難しいことを言いながら始めた「読みあい」ですが,あまり難しいことを考えないで,「はい,読みますね」「はいどうぞ」という軽いノリで読んだほうが長続きするような気がしてきました。

ですから「今日はこの本を読みますよ,聞いてください」から「ヨミマスヨ」をタイトルにして続けていこうと思います。

2014.02.25 デイサービス15日目
今日は利用者さんが全体的に少なかったせいか,聞いてくれる人も集中して聞いてくれました。

「はなさかじい」世界文化社 みんなが知っている話で,梅の花が咲き始め,桜の開花を待つ時期に合うのではと思い読みました。「さいごに意地悪じいさんがあまりにもかわいそう…」とは介護士さんの感想です。

「原寸大どうぶつ館」こういった写真絵本は,知っていそうで知らなかったことが書かれてあることが多く,しかもリアルな写真付きなのでインパクトが強くて面白いと思いました。読むのは大変なので,めくりながらそのページで目に付いたことをかいつまんで説明しました。白クマの毛が透明だったなんて!大きく見開かれたページがさらに大きく広がるところのリアクションが皆さん素直で嬉しくなりました。

「ふくろうのそめものや」「ほんとうにからすって嫌よねえ」とカラスが悪者になって終わってしまいました。「からすにもいいところあるんですよ」という本をこの後に読んであげたいですね。差し当たって思い当るのはかこさとしの「からすのしりーず」ぐらいですが。

介護士さんによると「他の鳥の色とりどりの羽をからすが付けてかっこつけるけれど,風が吹いたら元通りになってしまう」という話もあるそうです。探して読んでみたいです。

2014.02.17 デイサービス14日目
回を重ねるごとに,村中さんの提唱する「読み合い」とはかけ離れてきているようです。良く言えば「ホンノハシのスタイルができつつある」といったところでしょうか。そろそろタイトル名の変更をしようと思います。

「くもりのひのおはなし」下駄で「あ~した天気になあれ」とやったことで盛り上がりました。

「100万ってどれくらい?」「皆さん100万円あったらどうしますか」と問いかけてから読みました。「10億」「1兆」の部分はとばしてしまってもよかったかなあと思いました。「100万あったら欲張りな妹とみんなにあげるわ」という方がいらっしゃいました。

「ばけくらべ」自分でぱらぱらめくった時は「いい本だなあ」と思っていたのですが,絵がはっきりしていないのでわかりづらかったかもしれません。

絶妙なタイミングで合いの手を入れてくれるBさん。どうしてそんなことができるのだろうと,読みながらこっそりBさんのほうを見たら,Bさんは本ではなくて私の顔をじっとみていました。

私が自分では気付かずに,「合いの手サイン」を送っているのかもしれません。

2014.02.11  デイサービス13.5日目
今日は「そういえば鬼のお母さんや子供がのっている本を見たことがないが,そういう本を読んでみたい」というAさんのリクエストにこたえて,本を借りてきました。

「それからのおにがしま」桃太郎が鬼が島から凱旋した後のお話し。

「あかたろうの1☆2☆3の3☆4☆5」おにの子あかたろうのほん。

「ヒサクニヒコの不思議図鑑①オニの生活図鑑」オニの生活が一目でわかる図鑑。

一ページずつじっくり見てくれました。

今度は「どうやってこの本を書いたのでしょう。そんなことがわかる本があれば読んでみたいですね」と次のリクエストの難易度が高くなりました。

これは「カッテニカケハシ」にも似ているような気がします。

また,本を探してみたいと思います。

2014.02.04 デイサービス13日目

1人の女性がとても熱心に聞いてくれて,感想やらなんやら言ってくれたのはもちろん嬉しいのですが,一見聞いてなさそうな遠くの方も,ひとたび話が始まると,こちらに耳だけ集中している気配が感じられたのもよかったです。

「それからのおにがしま」「ももたろうは船にいっぱい宝物を積んでおじいさんとおばあさんのもとへ帰ってきましたとさ,めでたし,めでたし」で終わりではないのです。その先のお話しです。最後のほうでおばあさんが死んでしまうので「あらら,おはなしの中でも死んじゃうのねえ」とちょっと残念そうでした。そして「年はとりたくないわ」とぼやきが始まってしまいました。

「てんてん……」ちょっとお勉強調の絵本ですが,おもしろがってくれました。

「ききみみずきん」からすの会話のところが一番うけていたようです。きっと子供に読んでも同じだと思います。「しあわせになるお話はいいわねえ」…本当ですね。同感です。

2014.1.28 デイサービス12日目
今日はほとんどの人が聞いていない中での自主練のような読みでした。まあ,そんな時もあるさと思うようにはするのですが,やはりちょっぴり気分が沈みます。大きな声は出してきたので多少はすっきりしましたけど。

「かえるをのんだととさん」節分の時によく読む絵本です。私は大好きなのですが,考えようによってはちょっと残酷な気もあるので,あまり受け入れられない要因の一つになってしまったかしら。読み方によって登場人物のキャラクターが変わるのも面白いです。

「こぶたたんぽぽぽけっととんぼ」「物の名前がたくさん出てくるのですが,全てしりとりでつながっているので,次は何が出てくるのか考えながら聞いて下さい」と言って,実験的に読んでみました。自分でいうのもなんですが,あまりに単調すぎて,眠くなってしまいそうです。速度にメリハリをつけて,またの機会に読んでみようと思います。

「えんぎかつぎのだんなさん」落語絵本です。落語は割と今まで受けがよかったのですが,この話はじっと聞き入っていないと面白いポイントを逃しやすいので,今日のような日には不向きだったと思います。関西弁が出てくるので,それも聞きにくい要因かな。(私はネイティブではないので)

 

そんなこんなでなんとか読み終わり,ちょっとがっかりしていると,お風呂で聞いていた介護士さんと利用者さんが,鬼の話で盛り上がったそうで,「鬼の子や鬼のお母さんが出てくる話って,そういえばないなあと言っていたんですよ。今度探してきて下さい」と言われ,ちょっと気持ちが持ち直しました。

誰も聞いていないようでも,どこで誰が聞いているか分からないので,読むからにはしっかり読むことを心がけねばいけませんね。

早速本を探してみようと思います。

2014.1.24 デイサービス11日目
回を重ねると,楽しみに待っていて下さる方が出てきて,「今日は何を読んでくれるのかしら」「いつも聞いているわよ」と,嬉しい声がかかります。

「落語絵本 はつてんじん」やはり,この時期はこれを読みたくなります。先日,落語を聞きにもいってきました。それが少しはプラス効果になったでしょうか?カルメ焼きやら,凧揚げやらが出てくるので,「懐かしい」との声や,笑い声があがります。こだわりの裏表紙の絵を,もう少しじっくり見せればよかったなあと反省です。

「イソップ物語13のおはなし」絵がとにかくきれいでひきこまれます。「イヌと影」だけを読みましたが,またの機会に他の話も読もうと思います。割とよく知られた話かなあと思いましたが,案外知らない人が多いようです。

「わかがえりの水」スズキコ―ジさんのエネルギッシュでかつ繊細なタッチの楽しい絵本です。「…だとさ,おしまい」と終わる昔話は「あ~楽しかった」と聞いている人も満足感を感じるでしょうから,よいのではないかなあと思います。はたして「めでたし,めでたし」なのかどうかは疑問ですがね。

2014.1.15  デイサービス10日目
今年の読み初めは小学校の個別学級での読み聞かせでした。

そこで読んだ本とまったく同じものを,デイサービスでも読んでみました。

子どもも大人も楽しそうに聞いてくれました。

なんだかんだと難しいことを考えず,楽しいお話しを読んで喜んでもらう。その笑顔を見てこちらも満足する…そんな単純なことでいいのではと思えてきました。

「きたかぜとたいよう」バーナデッドの絵もいいですが,よりわかりやすいこちらの本は読み聞かせ向きだと思います。

「MAGIC MOVING IMAGES」口々に「うわあ,すごい」と歓声が上がります。すごいでしょう,とついつい自慢げになります。

「だるまちゃんとうさぎちゃん」案の定,「たんげさぜん」やら「ざとういち」のところでとても受けました。うさぎちゃんづくしのところでも「あら,カワイイ」と声が上がりました。軍手ウサギも喜んでもらえた様子。これの出し方をもう少し工夫してみると面白いだろうなと思いました。

2013.12.27 デイサービス9日目
「読み合い」と「読み聞かせ」は違うということや,心地よく時間を共有するには,まずはお互いの信頼関係を気付かなくてはいけないことなどを改めて考えながら,今年の読み納めに行ってきました。

今日は絵本を選んだ理由などの話を間に挟みながら,3冊読みました。

私「今日は今年の読み納めで読みたいと思います」

Aさん「今日はどんな本を読んでくれるのかしら?」

私「今年最後なので楽しい本を…」

しょっぱなからセンスのない返答をして,自分にがっかりしましたが,気を取り直して読みました。

「きんのねこ」読み終わった後に,「この場面はお話の中ではちょっと嫌な場面ですが,色がとてもきれいなので私は好きです」と言って,きんのねこの毛色が全面に出るページを見てもらいました。「わあ,きれいねえ」…共有が強要になってしまっていないかなどと,いちいち気になってしまいます。

「バルバルさん」床屋さんの話なのですが「美容院に行きたいなあと思いつつ,気付いたらもう年末を迎えてしまって,そんなことを考えながらこの本を選びました」と言ってから読みました。Aさん「年が明けてからゆっくり行けばいいのよ」と言ってくださいました。

「ポ・スットン」郵便ポストの話です。選んだ理由を話そうとすると介護士さんが「あ~わかった~年賀状でしょう!」その通りです。

最後がちょっとわかりにくい話なので,読み終わってから「いかがでしたか?」とAさんに伺うと「ちょっと変わった話ねえ」と。「そうですね,むかしばなしとはちょっと違いますね」と,またもやセンスのない返答しかできず,反省。

「来年もまた楽しい本を読んでくださいね」と言っていただき,気持ちよく読み納めを終えることができました。

2013.12.16 デイサービス8日目

「メアリー・スミス」絵がはっきりしているので楽しいかなと思い選びました。

「ねずみのおよめさん」「…だって」と語尾にいつも付く語り口が優しい雰囲気で好きです。

 

いつも「絵本を読みます」というと「あら,それはステキ」と言ってくれる女性の利用者さん。読み進めると「へえ…,あらら…,あらそう…」と合いの手を入れてくれます。そして読み終わった後は「とてもよかった。嬉しくなっちゃう」と感想を述べてくれます。おそらく認知症の方かと思うので,彼女の記憶の中にこの読み合いのことは残っていないであろうと思うのですが,細胞には楽しい記憶がしみわたっていってくれていると良いなあと思います。

2013.12.12 デイサービズ7日目
前回のような失敗がないように,読んでいて自分が楽しくなる本を選び,一度練習をしてからのぞみました。読み合いからはかけ離れ,単なる読み聞かせになっている感がありますが,聞いてくださる人がいるのはありがたいことです。

「ボクは知っている」季節ものなので読みました。一冊目はまだまだ皆さん緊張のご様子です。

「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」子どもも大人も同じところで笑うんですね。こういう本は本当に良いと思います。そしてこういう本こそ読み合いに向いているのではないかと思います。

「せんたくかあちゃん」読み終わった後に介護士さんが「Aさんだったら顔を書きなおしてもらえるとしたらどうします?」と男性に質問して,顔を変えるかどうするかで盛り上がりました。そしてBさんが「みんな自分の顔のことってどう思っているのかしらね。私は好きだけどね」とおっしゃっていました。

2013.12.03 デイサービス6日目
今日は2冊。そして,ちょっと失敗。気がのらないのに加え,2冊とも声に出して人前で読むのは初めて…「ああ~しまったなあ」という思いが伝わってしまったのか,あまり話も弾まず。義務ではないのだから,今日はやめておけばよかったです。

「花さき山」絵がきれいですが,話にあまり盛り上がりがありません。そのせいか,読後のおしゃべりには花が咲きませんでした。

「3びきのこぶた」かぶやリンゴのくだりが,知っているはずの話と少し違っていて,「いろいろあるのねえ」とおっしゃっていました。

2013.11.28 デイサービス5日目
今日は4冊。3人の方が割とじっくりと聞いて下さった。

「こびとのくつや」こびとの歌に節をつけて歌ってみました。そういえば,私も小さい時にこびとにプレゼントする服を折り紙で作ったことを思い出しました。

「まんじゅうこわい」読み終わった後は案の定まんじゅうの話で盛り上がりました。「あなただったら何まんじゅうがいい?」「そうしきまんじゅうかしら」「そうね,あんこがいっぱい入っているものね」「あんこがいっぱいはいってるそうだ…なんて歌もあったわねえ」「昔は浪曲なんかもよく聞いたわ」「うちには蓄音器があったわ」…と話は続いていきます。

「せかい1おいしいスープ」そして当然スープが食べたくなります。おいしいものが出てくる話は人を幸せにしてくれます。けれども同時に,おいしいものを一緒に食べる人を失った人は淋しさも感じるようです。

おいしいものがいつでもどこでも食べられる時代のようですが,だれかと一緒に食べることこそ,幸せなのかもしれませんね。

「しあわせをもってきたシャベル」なぜだか「宝くじを買わなくちゃね」という話題になりました。面白いですね。

2013.11.27 近所のデイサービス4回目
「ふたりはいつも」より「おちば」絵本ではないので,朗読的な読み方になりますし,がまくんとかえるくんの区別がつかなくなってわけがわからなくなりそうですが,言葉が柔らかくて,ほのぼのとした雰囲気が伝わればいいなと思ったのと,季節的にぴったりなので読みました。

「おばあさんのすぷーん」言葉がリズムカルなので,読んでいてとても気分がよくなります。なので聞いてくださっている方も,歌でも聞くように気分良くなってくれるのではないかと思い読みました。

「あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま」この絵本,横に長いので持って読むのはとても疲れます。でも,絵がかわいらしいし,お話も大好きです。だから,持つのが少々大変でも,いろいろな人に知ってもらいたいなと思うのです。

 

おそらく認知症が進んでいるであろう方のほうが,反応がよいのはなぜなんでしょうか。不思議です。

 

曜日や時間を変えて毎日のように通い,何となくデイサービスの雰囲気や,利用者さんの様子がわかってきました。今はまだ「読み聞かせスタイル」ですが,徐々に「読み合いスタイル」度を高めていければいいなと思います。

2013.11.26  近所のデイサービス3回目
「さるじぞうほいほい」おならのところで受けて,おならの話で盛り上がる。子供も大人も変わりませんね。一人の方は「どれどれ見せて」と言って,自分でも声を出して読んでいました。おっこれぞ「読み合い」ではありませんか。思わず読んでみたくなる…いいですねえ。

「サラダでげんき」「サラダの作り方が出てくるのかしら」と期待していたようで,「あら,これで終わりなの」とちょっとがっかりのご様子。サラダが食べたいと,ずっとおっしゃっていました。美味しいサラダ,食べたいですね。

「モチモチの木」リクエストにお答えしてだったのですが,当のご本人はあまり興味無さそうなご様子。でも,木が画面いっぱいに描かれているページは嬉しそうにご覧になっていました。そして読み終わるとしきりに「上手,上手」と言ってくださいます。この方と二人っきりで読み合いをしたら,なんだか面白そうな気がします。滝平二郎さんの絵は本当に力がありますね。

「てぶくろ」介護士さんが好きな本だったようなので読みました。

2013.11.25 近所のデイサービス2回目

「りすのあかちゃん」この話は伝言ゲームのように少しずつ言葉が変わっていくところに面白さがあるのです,面白いと感じるか感じないかは,集中度によっても変わってきます。読み終わったら言葉が少しずつ違うところがあるのに気づいた1人の方が,自慢げに「ちょっとずつ違うのよね~」と何度も言って笑っていました。

「そんなとき,なんていう?」ちょっと毛色の違う本をあえて読んでみました。1人の人が「なんだか全然楽しくない。もっと楽しい話がいいわ」と直球。ごもっとも,ごもっとも。

「うさぎとかめ」ちょっと変わった話の後には,割と知っている人が多そうな話をと思って選びました。絵がとてもきれいと口々に言っていました。

「かめのこせんべい」「うさぎとかめ」を読んだ後は,ひとしきり,「自分たちの子供の頃は絵を書く紙もなかった。今は豊かになった」という話で盛り上がり,戦争で横浜も焼け野原になって何もなかったのよねえ…などという話になりました。そこで,さらに戦争よりも昔の横浜の風景が描かれていますよ…と前置きしてこの話に。読み終わった後は人力車の話題になりました。それから,伊勢佐木町の亀楽煎餅の話でも盛り上がりました。

「チョウスケとおつきさま」これが最後ですといったせいもあってか,はじめは緊張気味に聞いてくださっていた方もページをめくるたびにあれこれ声を出して反応してくれるようになりました。とにかくクマのかわいらしい動作が描かれているため「なんて可愛いんでしょう」としきりに言っている方もいました。

2013.11.22 近所のデイサービスにて
 「趣味を披露してくれる方募集中」という貼り紙を見て,以前から読み聞かせはどうかなあと思っていました。ただ,お年寄りに対して「読み聞かせ」というのは何となくエラそうというか何というか…で,躊躇していたのですが,この「読み合い」という言葉に出会い,「そうか,時間を共有することが大切なのか」と気付いて,ドアをたたくことにしました。

 拙い説明と経験がないことだというのにもかかわらず,快く受け入れてくださり,「いつでも来て読んでください」といってくださったので,翌日早速絵本を抱えて訪問しました。

 聞いてくださったのは女性の利用者さん3,4人と介護士さん。

 「かにむかし」村中さんも一番初めに読み合いでこの本を読んだらしいことと,ちょうど今は柿がおいしい季節なので選びました。柿がどんどん大きくなっていく場面では,「ほーほー」と感心するように聞いていらっしゃった。ちょっと長めだったので私が疲れてしまった。読み終わって汗を拭いていたら,「暑いわねえ」と。

 「はらぺこあおむし」ちょっと長かったので次は短めで。最後の蝶の場面でみな口々に「きれいね」といっていました。

 「ひゃくにんのおとうさん」「これは中国の昔話です」といったとたん「へえ,中国にも昔話ってあるのね」と意外な反応。そりゃあ中国4千年の歴史っていうくらいですからあるでしょう…とはつっこみませんでしたが。「あら絵がきれいねえ」と反応も良くなってきました。この話はだんだんと落ちが想像できて,題名の意味がわかってくるので,最後のほうになると「もしかしてもしかすると…」「ああ,やっぱりそうなるのね」と声が上がっていました。

 「おでんおんせん」「ひゃくにんのおとうさん」のように楽しい話がいいわというリクエストにこたえて,ちょっと系統は違いますが楽しい話をと思い読みました。読み終わった後はおでんの話で盛り上がりました。ちょっと離れていたところで手芸に興じていた男性利用者さんに介護士さんが「○○さんはおでんの具は何が好き」と聞いたら「つみれだなあ」と即答。話を聞いていないような顔をしていても,案外聞いていてくれたのかもと思いました。

 「くるとんさんとつきのパン」「食べ物の話はいいわねえ,他にないの?」とのリクエストでこちら。「また今度も食べ物の話を読んでちょうだいね」と嬉しいリクエストを頂きました。

 

 村中さんの提唱する「読み合い」には程遠いようですが,「こういうのっていいかも」と思えました。